オーナーレポート | Vol.125

減り続ける出生数。人口減少時代に起こる少子化の必然性。

 2月27日に厚生労働省は、2024年の出生数(速報値)を発表しました。720,988人、50年前のベビーブームと比較すると3分の1まで減少しています。人口減少自体は広く認識されておりますし、少子化対策という言葉も一般的な政策として政府が進めていますが、予想を遥かに上回る深刻な事態となっています。

 下記は2020年に発表された出生数の推移と2040年の出生数予測を描いたグラフですが、このグラフでは2040年の出生数推計が74万人です。ところがこのグラフが発表されて以降、新型コロナウイルス流行の影響もあり、出生数・出生率は大きく下がり2023年度の出生数(確定値)は727,277人(出生率1.2)と2040年の予測値を既に下回りました。昨年2024年の出生数(確定値)も速報値から外国人などを除いた最終集計は70万人を大きく下回る予測がでています。

 この急激な人口減少は新型コロナウイルス流行の影響がなくなっても加速し、今後回復する見込みはありません。下の表は出生数が10万人単位で減少してきた推移です。出生数の減少に子供を作る主な年代である20-45歳人口の減少が大きく関わっていることがわかります。20-45歳人口は今後10年で414万人が減少することが確定しているので、10年後に[出生数/20-45人口]が2.3%と甘く見積もったとしても出生数は68万人です。そして今判明している最新情報は、2043年に20-45歳人口は2659万人ということです。

出生数(確定値)120→110万人110→100万人100→90万人90→80万人80→70万人
減少期間1993→2005年2005→2016年2016→2019年2019→2022年2022→2024?
かかった年数12年11年3年3年2年
20-45歳人口5156→4506万4506→3982万3982→3726万3726→3501万3501→3378万
出生数/20-45人口2.30→2.36%2.36→2.45%2.45→2.32%2.32→2.20%2.20→2.01?
※厚生労働省発表の数値を加工、2024年の数値は出生数(確定値)を68万人と仮定して計算。

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