オーナーレポート | Vol.132
金利上昇局面での不動産運用の戦略見直しの必要性について
2025年12月19日、日銀は短期金利指標である政策金利を0.5%から0.75%への引上げを決定しました。
そして22日には長期金利の指標である10年物国債金利が2%を超え2.08%を記録しました。
不動産市場は超低金利を前提とした旧来の環境から明確に変化しており、長期金利の上昇、建築費・人件費などの物価高騰が続く中、今後は「継続的かつ緩やかな金利上昇」、「建築費高騰・インフレを背景とした賃料・地価の底上げ」、「中心部と郊外の格差の拡大」を前提として投資戦略を進める必要があります。
今回のオーナーレポートでは、このような金利上昇とインフレ局面でのとるべき戦略について、財務内容によってどう変えていくべきなのかをお伝えします。
【金利上昇がもたらす影響】
金利上昇は、従来の「誰でも融資が出れば買える」市場を終わらせ、自己資本の状況に応じた戦略選択の必要性をもたらしています。
- 自己資本比率の高さ、自己資金の厚みが、購入時や借り換え時の金融機関との交渉力に直結します。資本が厚いほど、柔軟な資金調達が可能です。
- キャッシュフローの厚みが、修繕費増(築古化)と利息負担増(金利上昇)という二つのコスト増に耐え得る、安定した収益構造に繋がります。
【タイプ別 金利上昇下での推奨戦略】
ご自身のタイプに合わせて、具体的な戦略を決定する必要があります。
| 自己資本比率目安 | 取るべき具体的戦略と行動 | |
| Cash rich層 | 融資比率 50%未満 純資産10億以上 | キャッシュリッチ層は、競合減少で購入余力が高まり、選別的かつ攻めの拡大が可能です。割安市場での組み換え投資(中古再生)、都市部の優良築古物件の取得を検討し、相続を見据えた「資産の最適化」を図る機会です。 |
| 中間層 | 融資比率 40%~70%未満 純資産10億未満 | 守りを固めながら次の準備を行うことが重要です。借入金利の固定化や借り換え交渉を進め、修繕計画・空室対策(特に築20年前後)を見直しましょう。遊休地などの潜在資産の再活用も視野に入れます。 |
| レバレッジ層 | 融資比率 70%以上 | 負債コストの抑制と耐久性の確保が最優先です。金利上昇を想定した返済比率(CF)改善のため、売却や返済による資産圧縮を検討し、収益改善・支出見直しを進めるべきです。この時点での追加借入は慎重に行うことをお勧めします。 |
【今、不動産資産について考えるべきこと】
上記の状況を踏まえて、今必要なことは、財務余力に応じて、攻めと守りの配分を決定することです。もちろん無理な拡大は避けるべきですが、財務余力があれば新規に不動産の購入を検討することも選択肢です。特に保有資産が多岐にわたる方は不動産をしっかりと棚卸し、それぞれの戦略を明確化することが大切です。また 相続・事業承継を見据え、今後20年間の保有資産の収益性と、「誰が継ぎ、どう分配するか」についても考えてください。
以上