オーナーレポート | Vol.20
新しい相続の形「家族信託」をご存じですか?
今年から相続税が増税となり、従来あまり関心のなかったオーナー様においても相続に関心が高まっていると思います。今回は「家族信託」という方法についてご紹介したいと思います。
家族信託とは民事信託(非営利で行う信託)の一つで、2007年9月に改正された信託法に基づく信託です。家族が信託の受託者となって財産を預かり、管理運営していく仕組みです。
家族信託の仕組み
オーナー様がアパート等について相続予定者と信託契約を締結することによって相続予定者に法的な管理権限を与えることができます。オーナーが認知症等で法律行為ができなくなった場合でも、アパートに関する運営や処分についても相続予定者が実行できます。家賃等の収益を受ける受益者にオーナー自身を設定することでこれまでと変わらず収益を得ることができます。

メリットとデメリット、成年後見制度との違い
認知症対策として従来からある成年後見制度との比較をしました。
メリット | デメリット | |
家族信託 | ・本人に代わって資産の管理ができる。 ・信託の目的を自由に設定できる。(資産処分も可能) ・誰でも受託者になれる。解約も可能。 |
・事例及び経験者が圧倒的に少ない。 ・受託者による悪用の可能性もあり。 ・税務法務も不明確な部分もあり、節税対策にはならない。寧ろ登記設定費用等がかかる。 |
成年後見制度 | ・本人が痴呆となった場合、代わりに資産の管理ができる。 | ・財産贈与等の相続対策はできない。 ・財産の処分は厳しく制限される。 ・後見人の設定・解除には裁判所の許可が必要。 後見人が第3者の場合、恒常的費用が発生。 |
家族信託はまだまだ事例が少なく、確立されていない手法も多い分野です。このたび弊社では一般社団法人家族信託普及協会に入会し、その全国の事例を入手・研究することによってオーナー様のお役に立つことを目指しております。