10月1日、安倍総理が消費税の増税を決断しました。現在消費税は5％。来年の4月1日から税率が8％になります。住居の賃料は、消費税がかからないので、一見その影響が見えにくいのですが、さまざまな負担がでてきます。今回はその影響を整理しました。
まずは消費税のおさらいから
消費税を簡単にまとめると、下記のようになります。
- モノやサービスの代金を支払うときに、代金の5％が消費税として課金されます。平成26年4月1日より税率は8％に、平成27年10月1日より税率が10％になる予定です。
- 例外として、土地の賃料、住居の賃料（家賃）は免税です。但し舗装された駐車場は課税されます。
- 年間での課税売上（テナントの賃料、駐車場の賃料など）が1,000万円以下なら、申告不要です。
- 納税は、売り上げた消費税から、経費にかかった消費税を引いた額を納税しますが、課税売上が5,000万円以下なら、簡易的な計算方法（50％が経費であったと仮定して計算）を使って申告ができます。
具体的な賃貸業への影響
上記2と3より、ほとんどの賃貸オーナー様は課税売上が1,000万円以下となり、免税業者となりますので、一見消費税は関係ないようにも見えますが、下記のような影響があります。
- 修繕費、リフォーム代など建物の維持に関する消費税があがる。
- 清掃費、浄化槽維持費、広告費、管理料など物件の運営に関する消費税があがる。
- 通信費や振込手数料など、上記以外の活動費のほとんどが消費税UPで負担が増えます。
この中では、1の修繕・リフォーム費は、金額が大きいだけに影響も大きいです。外装のリフォームなど数百万円単位の工事を消費税増税前に施工されたオーナー様もおられたようです。
2、3の運営関連費は、金額こそ大きくないものの、じわじわと効いてきます。テナントや月極駐車場は、もともと消費税がかかっているので、上記の経費負担も消費税を上げることである程度吸収することができますが、家賃の場合は免税の為、家賃UPなどの方法で消費者に転嫁できにくいという欠点があります。特に昨今の家賃下落基調であれば、なおさら家賃UPは厳しいと思われます。
賃貸経営にとってはしばらく厳しい流れとなります。残念ながらこれという特効薬はありませんので、じっくりと空室対策を進めていきましょう。