地価公示から東広島市の地価を追う

3月23日、平成28年1月1日付の地価公示が発表され、上昇傾向が鮮明になって参りましたが、リーマンショックの年から約10年。この10年間の公示価格の遷移を見た場合東広島市の土地は上がったのか、下がったのか。今回は東広島市内での地価推移をレポートします。

  • まずは東広島市の調査地点27か所のうち、10年間で地価が上昇した地点は4か所ありました。駅前は1割以上上昇しましたが、その他は微増。工業団地が半分を占め、住宅地は上昇していないといえます。なお最近上昇が著しい寺家地区は比較的新しい調査地点の為、比較ができませんでした。
    順位 場所 10年前との比較 現在坪単価 10年前坪単価
    1 西条駅前ロータリー 111.8% 942,100円 842,300円
    2 吉川工業団地 104.6% 67,700円 64,800円
    3 御薗宇工業団地 103.1% 99,100円 96,200円
    4 西条中央7丁目セブンイレブン横 102.9% 297,500円 289,200円
  • 次に10年間で地価が下落した地点を見てみましょう。辺縁部は驚くほど下がっておりほぼ半額です。安芸津駅前、商業地とはいえ10年前は坪35万円と西条中央より高かったというのは隔世の感があります。
    順位 場所 10年前との比較 現在坪単価 10年前坪単価
    1 安芸津駅前 46.7% 164,900円 353,300円
    2 河内駅沼田川南側 52.9% 48,500円 91,900円
    3 河内駅北側 54.1% 77,000円 142,300円
    4 八本松西Mr.MAX横の団地 62.1% 142,800円 229,800円
    5 黒瀬切田が丘1丁目 62.2% 88,500円 142,300円
  • 最後に地域別の平均を見てみましょう。西条北部(実質中心部)の堅調さが際立ちます。自己用住宅以外に、今後新規に不動産で資産形成する場合、西条以外の選択肢は厳しいことが改めてわかります。
    順位 地域 地点数 10年前との比較 (各地点の平均) 現在 平均坪単価 10年前 平均坪単価
    1 西条北部(バイパス以北) 9 96.3% 326,500円 329,300円
    2 西条南部(バイパス以南) 2 85.5% 145,100円 169,600円
    3 高屋町 2 78.3% 92,000円 118,200円
    4 八本松町 5 76.1% 137,900円 193,300円
    黒瀬町 4 67.0% 123,600円 181,400円
    安芸津町 3 59.9% 113,100円 206,000円
    河内町 2 53.5% 62,800円 117,100円

※本文中データ及び図表は、国土交通省の土地総合情報ライブラリー掲載のデータを独自に加工したものです。

商業地は大幅上昇。地方へも波及。 ~平成28年1月1日付地価公示~

3月23日、平成28年1月1日付の地価公示が発表されました。
昨年に続き上昇傾向が続いており、地方にも地価上昇の波が届き始めてきました。

■■■ 全国の動向 ■■■
全国平均でも商業地が上昇に転じ、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)及び地方中核都市では大幅上昇、地方でも下落幅が着実に縮小しました。住宅地に関しては三大都市圏が小幅に上昇ながらも、上昇地点の割合が微減(47%→45.6%)するなど、場所によっての優劣が顕著になっております。なお、地方圏住宅地では下落幅が減少かつ、上昇地点の割合が増加(17.9%→20.8%)するなど回復傾向となっています。

単位(%) 住宅地 商業地
27年公示 28年公示 27年公示 28年公示
全国 ▲0.4 ▲0.2 0.0 0.9
 三大都市圏 0.4 0.5 1.8 2.9
 地方圏 ▲1.1 ▲0.7 ▲1.4 ▲0.5

■■■ 広島県を見ると ■■■

住宅地では前年比+48地点となる計159地点が上昇、商業地でも前年比+20地点の74地点が上昇しました。県内571地点中233地点と全地点の4割以上の地点で上昇しており、回復が鮮明となっております。

単位(%) 住宅地 商業地
27年公示 28年公示 27年公示 28年公示
広島県 ▲1.2 ▲0.3 ▲0.5 0.8
広島市 0.2 1.4 2.2 4.1
 福山市 ▲2.1 ▲1.7 ▲2.6 ▲1.9
 呉市 ▲2.8 ▲1.5 ▲2.4 ▲0.7
 東広島市 ▲1.5 ▲0.5 ▲0.8 ▲0.2
  西条中心部 0.9 2.0 0.9 2.0
  八本松 ▲1.5 0.2 対象地点無し 対象地点無し
  その他 ▲2.9 ▲2.1 ▲4.2 ▲4.6

一方、東広島市でも下げ止まりが続いており、市内35地点のうち、西条駅前、西条駅裏2地点、朝日町、大坪町、西条中央、寺家3地点、助実、御薗宇工業団地、八本松東、八本松南、吉川工業団地の計14地点が上昇し、八本松西、御薗宇(フジグラン付近)、高屋宮領、黒瀬楢原東、黒瀬切田が丘の5地点は前年維持、その他の地区でも下落幅が縮小しました。一方、河内町中河内は住居地県内下落率5位(▲6.4%)、安芸津町三津は商業地県内下落率2位(▲7.1%)と、従来通り志和・河内・安芸津の下落は止まりません。

土地売買の取引傾向からも中心部の土地需要は旺盛で、売り手も強気になっており、少なくても今年はこの傾向が続くと思われます。

※本文中データ及び図表は、国土交通省の土地総合情報ライブラリー掲載のデータを独自に加工したものです。