改正空き家特措法が成立しました。

2023年6月7日に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が国会で成立しました。公布後、6か月以内に施行される予定です。

【空き家特措法とは】

「空家等対策の推進に関する特別措置法」は2015年5月に施行されましたが、「空家等」を定義し、そのうち下記4つの状態のものを「特定空家等」として自治体からの助言・指導・勧告・命令・代執行の対象とし、勧告された特定空家については固定資産税の減免特例がなくなるなどの税制上の罰則が設けられました。

・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

【改正空き家特措法で変わること】

今回の改正の主要点を下記にまとめました。空き家解消への手法がかなり拡大されます。

空家対策の推進の為の制度拡充
1、空家等活用促進区域の新設
自治体が用途変更や建替えを促進するために、前面道路の幅員規制や用途規制を合理的に設定することができる区域を設定できるようになります。本区域に指定されると自治体から所有者に対して要請を行うことができます。
2、財産管理人制度の活用
今年4月から施行された財産管理人制度を活用して所有者不在の空家の処分を行います。
3、支援法人の指定制度
自治体が、NPO法人、社団法人等を空家等管理活用支援法人に指定して、所有者への普及啓発や相談対応を行うことができるようになります。
特定空家化を防ぐ為の事前管理
1、放置すれば特定空家になるおそれのある空家を「管理不全空家」と定義し、自治体から指導・勧告を行います。
2、指導に従わない場合で、勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の減免特例を受けることができなくなります。
3、所有者把握の為に自治体は電力会社等に情報提供を要請できるようになります。
特定空家の除却手続きの円滑化
1、自治体に調査の為の資料提出を求める権限を与え、円滑な状態把握ができるようになります。
2、緊急時や所有者不明時の代執行制度を創設し、従来の命令等の事前手続を省略することができるようになると共に、緊急代執行の費用は、確定判決なしで徴収できるようになります。
3、自治体に財産管理人の選任請求を認めることにより、相続放棄された空家等を自治体の裁量で対応できるようになります。

以上