個人情報保護法について ~入退去が多いこの時期に再確認~

昨年5月30日から改正個人情報保護法がスタートしています。これまで法律の対象事業者として個人情報が5000件以上という制限がありましたが、これが撤廃されほとんどの事業者が対象となりました。弊社はもちろんですが、賃貸業を営む皆様も対象となっている可能性が高いのです。今回のオーナーレポートでは、賃貸業を営む上の個人情報の取扱いについて、注意点をまとめてみました。

まずこの法律における個人情報の定義を再確認してみましょう。

個人情報 生存する特定の個人を識別できる情報。例えば、入居者の氏名や生年月日などが個人情報にあたります。
個人情報データベース 個人情報のうち、特定の個人情報を検索できるように体系的に構成したもの。例えば、入居者の家賃入金状況を表にしたノートや、入居者情報をエクセルなどで管理している場合、該当します。

そしてこの法律の対象事業者となる「個人情報取扱事業者」の定義は「個人情報データベース等をその事業活動に利用している者」ですので、オーナーの皆様はほぼ全員が該当すると考えてよいと思います。

そこで個人情報取扱事業者の義務を以下にまとめました。

利用目的の特定と適正な取扱い 入居者情報は、賃貸経営で利用する目的で収集しているので、賃貸経営以外で利用することはできません。
データベースの適切な管理
(漏洩・滅失・毀損の防止)
電子記録又は紙の記録に関係なく個人情報データベースとなる為、紙ならば施錠のできる棚に保管することや、机上に放置しないなどの措置が必要になります。
また、パソコンに保存しているなら、ログイン時のパスワード設定や、ウイルスに感染しないように対策ソフトを使うなどの措置が最低限必要です。
保有データの管理責任 データは最新の状態に保ち、不必要になったデータは遅滞なく消去する必要があります。退去者の情報は退去後の問合せ等に答える必要がありますので、退去したらすぐに消去するのではなく、5年経過したら破棄するなどのルールを決めておくとよいと思います。
また、入居者本人からの情報訂正や情報開示などの請求が合った場合には遅滞なく対応しなければなりません。
第三者提供のルール 個人情報を第三者に提供はできません。
提供する場合は、本人に利用目的を通知した上で同意をとる必要があります。
例えば隣人に勝手に入居者の情報を話してはいけません。
一方で、警察・検察による令状による捜査や、税務署調査、統計調査への協力など法令に基づく場合や国の機関等へ協力する場合は例外で、本人の同意は不要です。

上記は個人情報保護法のうち、最低限と思われることを要約・記載しました。次頁に個人情報保護委員会が作成した中小企業向けの「これだけは!10のチェックリスト」を添付しますのでぜひ試してください。

別添資料