給湯管劣化による水漏れが頻発しています。火災保険のご確認を

今年の冬はとても暖かいですね。昨年頻発した凍結による給水管破裂は今のところ1件もありません。ほっと一安心の冬シーズンとなっていますが、一方で季節に関係のない漏水事故が増えていますので今回は、漏水についてレポートいたします。

給湯用に使われている銅管が使用20年を超すと部分腐食によるピンホールが生じ、そこから漏水を起こす事故が増えています。20年を超した物件すべての漏水率が一律に高くなるわけではないのですが、1部屋ピンホールによる漏水が起こると、経験的に同じ物件の別の部屋でも続けて起きることが多いので、設計や施工も多少なりとも関係しているのかもしれません。

このピンホールによる漏水ですが、給湯管が部屋の床下にあるため、該当の部屋に住んでいる住人は気付かずに、階下の住人が第一発見者となることが多いです。じわじわと漏れるので、大きな被害になる前に気付くことも多いのですが、階下の住人が旅行などで留守にしていると被害が拡大することがあります。また1Fの給湯管が漏水した場合は、相当な量の水が漏れて1Fの床などが水によって腐食してきて初めて気づくこともあり、その場合は水抜きや床の張り替えなど多大な修繕費用がかかります。

漏水が起こった時の修繕にかかわる問題点として、ピンホールの被害箇所の特定が非常に難しい建物が多いことが挙げられます。ピンホール漏水が起こる20年以上前に建築された建物は、メンテナンス性がよくない場合もあり、点検孔が無かったり、コンクリートの内部に給湯管が埋め込まれていたり、と場所を特定するだけでも、複数の箇所に穴をあけたり、壊したりしなければいけません。その為、修理費用も10万円程度で収まるケースから、復旧も含めて200万円程度かかるケースまで千差万別です。

オーナーの皆様にはこの機会に加入している火災保険をぜひ見直していただきたいと思います。

上記の漏水で必要となる費用は大きく分けて3つです。

1.漏水箇所自体の修繕費用
2.漏水により被害を受けた建物の修繕費用
3.階下など他人に被害が生じた時の賠償費用

上記のうち、1の漏水箇所自体の修繕費用は経年劣化によるものの為、基本的には火災保険は適用できません。しかしながら2の被害箇所の修繕と、3の他人への賠償については火災保険の対象となります。 2については漏水が補償対象となっているか、3については施設賠償特約に入っているかを確認していただき、対象となっていない場合は特約を付加するなどの対応を行ってください。